悪性リンパ腫の病名の意味

 私の連れは前ページの「B細胞 びまん性大細胞型リンパ腫」という一番出現率の多い悪性リンパ腫になりましたが、最初に診断が下された普通の病院では、この病名ではなく、単に「悪性リンパ腫」の疑いがあると言うものでした。病名を聞いたときは、「悪性」という語句と「腫」という語句に、強い不安を感じました。

 しかしリンパ腫には「悪性という分類しかない」という説明と、悪性リンパ腫はガンの中では比較的抗ガン剤の治療で治ることが多い、という説明を聞いて少し気持ちが楽になりました。

 その後最寄りの病院から大学病院に転院し、様々な検査を行った結果、上記の名前を教えてもらったわけですが、正直なところ今でも「びまん性」とは何か、「大細胞」とはどのような意味か、よく分かっていません。

 そして気が動転している状態で、医師から病気の説明はあったものの、その説明と治療方針に対して、こちらは知識がゼロでしたから、「お願いします」と頭を下げるしかありませんでした。

 しかし自分の病気の内容がよく分からないままに抗ガン剤治療を受けることになった連れの気持ちは複雑だったと思います。

 確かに病気に対する知識があったとしても、治療方針は変わらなかったかもしれませんが、自分の体の中で何が起こって、それに対してどのような治療が行われるのかを知っているのと知らないのとでは、意識の持ちよう(モチベーション)にも大きな差がでるような気がします。

 そこで前ページに書いた病名の中で、分かりにくい専門用語について少しきちんとまとめておこうと考えました。これにより病気のイメージが少しつかめるかなと考えたからです。

 ただ悪性リンパ腫自体が最先端の医療現場で治療が行われているため、これらの専門用語を説明しているページの語句も、私ぐらいの知識量では理解することが難しく、このページは中途半端な説明になっていると思います。

 そのことをあらかじめお断りして、分かる範囲で用語の説明をしたいと思います。用語の順番は、前ページの病名の中で、上から順に並べただけです。

びまん性  病変の境界がはっきり確定できず、ある程度の範囲に広がっていることを意味します。悪性リンパ腫の場合は、通常のガンと違って異常なリンパ細胞が血液中やリンパ管中を移動するため、異常な細胞が存在する場所を特定することが出来ないためこのような名称が付いたのだと推測しています。
大細胞  ウィキペディアに以下のように解説されていました。
 「小型リンパ球の2倍を超えた、あるいは正常の組織球の核と同等かそれ以上の大きさの核を有する大型の腫瘍細胞」。つまりB細胞リンパ球内の核の大きさが通常より大きいと言うことを意味していると思います。

 該当組織の一部を切り取り、実際に顕微鏡で見たときに確認できる事だと思います。
粘膜関連
リンパ組織型
 胃や腸といった消化管等にはリンパ組織がないようですが、その場所で悪性リンパ腫が発症することがあります。その場合粘膜に生じた悪性リンパ腫を粘膜関連リンパ組織型と呼ぶようです。

 この場合、病変が特定の臓器にとどまることが多いようで、通常のガンと同じように摘出手術によって治ることが多いようです
濾胞性
リンパ腫


マントル細胞
リンパ腫
 リンパ節という、いわゆるリンパ管の途中にある小さな膨らみのことをリンパ濾胞ともいうようです。

 このリンパ濾胞は中心部とそれを取り囲む部分(マントル層と呼ぶそうです)、さらにその外側の辺縁帯という三つの部分に分かれています。

 で、この三つのそれぞれの領域でリンパ腫が発生するようで、中心部分からの発生するのが濾胞性、それを取り囲む層から出来るのがマントル細胞、さらに外側のどこかで発生するものが粘膜関連(MALT型)と言われるようです。

 つまりリンパ節のどこで異常な増殖が起きたかと言うことで病名が分けられているということです。
白血病  異常な遺伝子を持った白血球が骨髄中で増殖し、正常な白血球の増殖を阻害すると共に、異常な白血球が血液中に多数出てくる病気。正常な白血球が作られなくなるため、感染症にかかりやすくなります
未分化大細胞  リンパ節で通常はT細胞が成熟するのですが、その前に異常が起こり、様々な形のT細胞が出現する状態
リンパ芽球  骨髄中に含まれ、造血幹細胞からリンパ球が生まれるまでの間の状態をリンパ芽球と呼びます。このリンパ芽球がガン化し異常な増殖をするものをリンパ芽球型リンパ腫と言います
血管免疫芽球 症例はいろいろ書いてありましたが、なぜこのような名前なのかがよく分かりませんでした
ホジキン
リンパ腫
 イギリスの医師である、トーマス・ホジキンさんがこの病気を発見したことから、この名前が付いています。症状としてはリンパ節が腫れるということで、非ホジキンリンパ腫と同じですが、顕微鏡で組織を観察したとき、非ホジキンリンパ腫と異なる形のリンパ球が観察されるそうです。

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