結局原因は不明ですが・・・・

 放射線が原因であると考える場合の疑問点を前ページ書きましたが、同じようなことが一般的なガンの原因と言われている化学物質(薬、化粧品、農薬、食品添加物、殺虫剤他にも言えるのかなと思い始めました。

 つまり様々な化学物質が体内に入っていることは間違いないので、それがどんなものであれ、その物質によって遺伝子の改変が起きる可能性はわずかながらある、ということです。

 しかしながら実際には、それぞれの物質が悪性リンパ腫の発症の原因となっていると断定できるほどのデータはない、ということです。

 従ってあるものを食べたから発症したとか、ある薬を飲んだから発症したというような単純な因果関係を見つけることはほとんど不可能で、疑うことは出来ても、それが原因だと断定することはできないように思います。

 そうやってこれまで書いてきたことを振り返ると、ウイルスや炎症、放射線、化学物質、さらに言えば、私自身一時期疑っていた女性の更年期によるホルモンバランス、そして単なる加齢による分裂時の染色体のミスコピー、さらに日常生活のストレス等、いろいろ原因を考えることが出来ますが、ではどれが原因か、と突き詰めていくと、どれも可能性があるけど、どれか一つが原因であると断定するまでに至らない、と言うのが現状であるように思います。

 この辺りのニュアンスは微妙で、私が主治医に「原因は何ですか?」と質問を繰り返したとき、主治医の返答は、判で押したように「現代科学ではまだ分かっていません」という言い方でしたが、これはもしかすると患者側の知識が貧しいため、原因を分かりやすく説明することが難しいため、こういった言い方にならざるを得ないのかなと思えるようになってきました。

 ただ、ここまで調べてくると、もう少し親切な説明があっても良いような気もします。つまり上に書いたような要因が考えられることは間違いないけれども、どれが本当の原因なのか現状では分からない、と言うのが親切な説明であるような気もします。(そう言われて親切だと思うかどうかは人それぞれですが)

 患者側または家族の気持ちとしては、「なんでこんな病気になってしまったんだろう?自分たちの生活のいったいどこが悪かったんだろう?」とある意味、罪の意識が働きます。(私は少なくともそう感じました)

 そんなときに「原因は分かっていません」というひと頃で片付けられるのは、患者または家族へのカウンセリング的な意味においても、少しばかり配慮に欠ける気がします。

 私なりに原因を調べてみて、確かに現代科学で分子構造や、その化学反応まで解明されつつあるのに、原因が分からないというのもなんとも悔しい気がしますが、ここまで考えを進めてきて、分からない理由が分かってきたように思います。

 というわけで原因編はここまでにして、次回からは診断編に入ります。


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