超音波検査(エコー)

 人間は音を聞くことが出来ますが、この音には音程と言われているものがあります。簡単に言えばドレミファ・・・になるわけですが、これらの音の違いは、音の振動数(空気が1秒間に何回振動するか)や波長に依存しています。

 一般的な人が聞くことの出来る、一番低い振動数の音は20Hz(ヘルツ)程度で、これは1秒間に空気が20回振動することを意味します。

 そこから徐々に音程が上がり、50〜100Hz程度になると、いわゆる迫力のある低音となります。さらに440HzがNHKの時報の音であり、これは音階の「ラ」の音に相当します。

 音階というのは、1オクターブ上がると振動数も倍になりますので、880Hzの音は1オクターブ上の「ラ」の音になります。

 そうやって見ていくとオクターブ上がるごとに振動数は倍になっていきますから、440,880、1760、3520、7040、14080Hzの音は「ラ」に該当します。

 しかし14080Hzぐらいの音になると、人間はもはや音程を聞き分けることが出来ず、「ピー」とか「キー」とか「チー」というような音にしか聞こえません。

 人間が音として認識できる限界は、若い人でだいたい20000Hzが限度だと言われています。で、この振動数を超えた空気の振動を超音波と言います。

 この超音波の特徴ですが、普通の音の場合は音源から音が周囲に広がっていくのに対して、ある程度指向性、すなわち直線上に進む性質が出てきます。

 しかも通常の音よりも反射が起きやすいので、反射してくるまでの時間を測定することにより、対象物までの距離が分かります。この距離を2次元の平面の画像に置き換えたものが超音波検査になります。

 コウモリが超音波を利用して、前方の障害物までの距離を測定していることはよく聞く話しですし、魚群探知機はこれを利用して、海底と魚の位置を画像であらわしています。また妊娠中の胎児の様子を観察する手段としても使われています。

 人間ドック等を受診すると腹部エコーという検査を受けることもありますが、悪性リンパ腫の場合もこれとまったく同じです。皮膚の上にヌルヌルしたゼリー状のものを塗りつけて、その上からローラーのようなものを押し当てて、肝臓、胆のう、脾臓、腎臓等の検査をするものです。

 ただ音波という波の性質上、細かい精度を求めることは難しく、最終的にはCTやPETの結果と併せて、悪性リンパ腫との関連を判断することになるはずです。



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