血液検査の項目(血球編2)

名称 略号 説明 最小値 最大値
網赤血球数 RET
血球は骨髄で作られます。その際造血幹細胞から赤芽球となり、赤芽球から核が放出され網赤血球となります。この状態の赤血球を染色し顕微鏡で観察すると網目状のものが見えることから網赤血球と呼ばれます。

従って、核が放出されるので、赤血球内に核は存在しないと言うことで、赤血球が勝手に増殖するようなことはないと言えます。

赤血球の寿命は約120日だそうですが、網状赤血球は2日で通常の赤血球になるそうです。骨髄で作られた網赤血球の一部は、成熟する前の状態で血液によって運搬されることがあり、これを検出します

この数値を測定することにより、骨髄の造血能力を推定することが出来ます

また造血能力が分かれば、貧血の程度や白血球等を作る能力も推定する事が出来ます

数値の単位は血液中に含まれる網状赤血球と通常の赤血球の存在比率をあらわすようで%であらわされます

0.5% 1.5%
網血小板 IPF
網赤血球と同様に、血小板も最初は骨髄で造血幹細胞から作られ、巨核芽球と呼ばれる細胞になります。

これが成熟する過程で、核の周りにある細胞内容物(細胞質と言います)が細かくちぎれて血小板となります

この新しくできた血小板は、網赤血球同様染色すると網状のものが見えるようです
血小板の寿命は平均8日ぐらいで、最初の1日ぐらいは網血小板の状態にあると考えられています

この数値を測定することにより、骨髄の血小板生産能力を推定することが出来ます

数値の単位は網赤血球と同様に、通常の血小板との存在比率を%であらわしています

1% 3.6%
以下は白血球分画についてです
好中球
骨髄で造血幹細胞が骨髄芽球となり、それがさらに血管等で成長し、白血球の仲間である好中球、好酸球、好塩基球となります

中、酸、塩基はご存じのように酸やアルカリを表す言葉で、好中球は中性の染色液に染まりやすい性質を持っています

また三つの中では、血液中にもっとも多く存在しています

好中球の役割は細菌等を殺すことです

数値は全白血球中の中の好中球の存在割合を%であらわしています

好中球や好酸球、好塩基球、さらにリンパ球や単級はすべて白血球の仲間ですが、これらの血液中の存在比を白血球分画くと呼び、この構成比を分析して病気や現状を推定します

好中球が増加する場合は、感染症、外傷、白血病等が疑われます

40% 72%
好酸球
好中球と同じで、酸性の染色液に染まりやすい性質を持っています

アレルギー反応を制御する役割を持っているようで、アレルギーや寄生虫などの感染で増えるようです

0% 8%
好塩基球
好中球と同じで、塩基性の染色液に染まりやすい性質を持っています

アレルギー反応に関係するようですが、詳しいことは分かっていません

0% 1.2%
リンパ球
骨髄または脾臓やリンパ節で造血幹細胞が成長分化しリンパ球となります

これらのリンパ球が白血球の中の何%になるかという存在比率です

21% 50%
単球
やはり骨髄で造血幹細胞から分化し、脾臓やリンパ節を経て血管内で単球となります

単球は異物に対する食作用(取りこんで分解する)で知られています

これまで同様、白血球の中での存在比率をあらわしています

2% 8%

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