リンパ球が作られるどの過程で
異常が生じているのか?

 前ページに書いた、どこで異常なリンパ細胞が出来ているのかと言うことが分かれば、再発についても予測できるような気がします。(あくまで私個人の学問的裏付けのない考えです)

 つまりリンパ球が出来るためには

@ 造血幹細胞そのものの染色体に異常が生じた
A 造血幹細胞からリンパ芽球に分化するとき異常が生じた
B リンパ芽球が分裂するとき異常が生じた
C リンパ芽球が前リンパ球に分化するとき異常が生じた
D 前リンパ球が分裂するとき異常が生じた
E 前リンパ球からBまたはT細胞に分化するとき異常が生じた
F BまたはT細胞が増殖するとき異常が生じた

の過程があるわけですが、@Aの過程は骨髄で行われ、その後は胸腺や脾臓、リンパ節で成熟、分化していきます。

 ただここで問題なのは増殖している時期はどこなのかということです。一般的なネット情報では造血幹細胞がリンパ球になるまでの間に増殖をすると書かれていますが、その過程はAなのかBなのかDなのかということです。

 ここはいろいろ調べてみたのですがどうもよく分かりません。分化しながら増殖するのか、リンパ芽球に分化した段階でもうそれ以上増殖はしないで単に成熟するだけなのかが、現段階では不明です。従ってここではすべての段階で増殖しながら成熟していると考えています。

 そこでさらにしつこく「リンパ球はどこで増殖するのか」ということをキーワードにネット上の情報を検索していったところ「病気の疑問と考え方捉え方」というページに「慢性リンパ性白血病」という病気についての解説がありました。

 それによれば、この「慢性リンパ性白血病」と「悪性リンパ腫」の違いは「リンパ球が増殖する場所が主に骨髄かリンパ節かの違いであって、本質的な差はありません。」ということで、要するに悪性リンパ腫と診断された患者さんは、異常なリンパ球の増殖はリンパ節で起きていることであって、白血病と言われた患者さんは骨髄に異常な増殖が起きているということになります。

 つまり上記の@またはAの過程における異常な増殖は「慢性リンパ性白血病」という病名になり、B以降の過程で異常な増殖が生じた場合は「悪性リンパ腫」という病名になるということです。

 しかもこの説明文をよく見ると、「場所が主に骨髄かリンパ節か」と書かれていて、この部分は意味深だなと感じました。

 つまり骨髄で異常を生じた細胞はリンパ節でも異常を生じる可能性があり、リンパ節で異常な増殖をしたリンパ球も、元を正せば骨髄でも異常があった可能性を否定できない、と言う事になり、要するにどちらが主な原因かという事だけで病名が変わるという、はなはだ曖昧な分類になって居るんだということが分かりました。

 と言うことは上記@からGまでの、どこが最も怪しいかということが問題であって、それ以外の場所でも怪しさは存在するので、ここしかない、という特定の場所を決めつけるのは困難だという結論になります。


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