ガン細胞の分裂を抑制する

 前ページの結論は、ガン細胞の分裂を抑制する方法として

@ 血管の成長と組織液の充足を促す方法

A 細胞内のミトコンドリアに何らかの形で刺激を与える方法

が考えられるとしました。ただAについては、ミトコンドリアに対する生化学の知識がまだ不足しているため、具体的にこうやればよい、というような提案は思いつかないなと思っています。

 しかし@について考えてみると、これは通常の健康法でいろいろ試みることが出来るのではないかと思うようになりました。

 あらためてよ〜く考えてみると、人間がその命を失わずに成長していける理由は、毎日三食のご飯を食べ、大気中に含まれている酸素を呼吸しているからであって、逆に言うと、呼吸と食物摂取が生命維持の最低条件になっているわけです。

 では何故食事と酸素が必要なのかと考えれば、それが最終的にミトコンドリアまで運ばれ、そこで解糖系から始まる一連のプロセスを経て、生命を維持する活動エネルギーに変換されているからです。

 したがって、極端な言い方をすれば、我々は細胞内のミトコンドリアのためにせっせと食事をして、絶えず呼吸を繰り返しているというわけです。

 しかしここで一つ進化の歴史で問題点が生じたわけです。それは何かというと、如何に効率よく摂取した食物と、吸い込んだ酸素を個々の細胞まで届けられるかという問題です。

 これを一気に解決したのが血管及び血管中の赤血球ですね。つまり血管の血しょう中に消化した栄養分を溶け込ませ、さらに赤血球中にヘモグロビンという物質を作り出し、これに酸素を結合させるという絶妙な方法で、栄養分と酸素の運搬という難しい問題を一度に解決したわけです。

 そう考えてくると、我々の生命の代謝活動を効率よくスムースに行うために、改めて血管という物の重要性を認識できるような気がします。逆に言えば、この血管が途切れたり、発達していなかったりする部分ではトラブルが起きやすいとも考えられます。

 ではその途切れたり、発達しなかったりする原因は何かと言えば、物理的には

@ 管がコレステロールで詰まってしまう。

A 詰まらないまでも、コレステロールの濃度が増すことによって、血液の粘性が大きくなって流れにくくなる。(いわゆるドロドロ血液ですね。高血圧の私には耳が痛い話です)

B 血液そのものが正常でも、炎症や外傷等で血管がちぎれてしまう。

C 炎症はなくても、持続するストレスによって交感神経系が緊張し、管そのものが細くなる。

D 低体温や冷えにより、体温の放熱を防ぐために、管そのものが細くなる。

E 低血圧により、血液の流れが悪くなり、毛細血管の末端まで血液が行きつきにくくなる。

F 赤血球数が少ない、またはヘモグロビンの酸素との結合力が弱い等の貧血症状で、酸素の運搬能力が低い。

等々が考えられます。つまり普段からこういった症状がある人は、ガン細胞が生まれたとき、それが増殖しやすい環境にある、ということではないかと考えられます。

 ということは、これを逆手に取れば、自分で出来るガン対策になりそうです。 


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