体温はどこで発生しているのか


 当たり前ですが、体温は36.5℃前後が最適であると言うのが前ページの結論です。次にではどうやって我々は体温を発生しているのかということを考えてみました。

 人混みは暑い、と言うのが常識ですが、これは人間一人一人が熱を発生しているためです。

 ではこの熱の源はどこにあるのかと言うことをまとめようと思うのですが、調べてみるとこれは結構簡単に分かったので、私の個人的な健康ブログ「健康生活あれこれ」にも書きました。

 先ず熱を発している場所ですが、結果はごく普通の様々な運動を行っている筋肉で全体の6割ぐらい、その他の筋肉で1割ぐらい、そして肝臓が2割強だそうです。

 ではなぜこういった部位で熱エネルギーが発生するのか?そもそもこの熱エネルギーとは何か、ということですが、これも答は簡単。

 我々が日常的に取りこんでいる食べ物を分解したり、また有用な形に合成したり、さらに取りこんだ酸素の化学反応から出るエネルギーだと言うことです。

 例えば酸素は燃える物があれば爆発的に化学反応を起こし、それを我々は日常生活の中で炎として扱い、その熱エネルギーを利用したりしています。

 体の中でも基本的にはこういった様々な化学反応が起きているわけですが、酸素の場合は体が燃えるわけにはいかないので、そこに酵素等が働き、穏やかに燃焼(酸化)させて、様々な物質を作るついでに熱エネルギーを発生させているわけです。

 つまり簡単にいえば、体内で活発に化学反応を行っている場所で熱が発生すると言うことです。

 従って人間は常に動いていますから、筋肉で熱が発生し、また肝臓は貯蔵や解毒作用で、常に化学工場としてフル回転していますから、ここでも熱が発生しやすい、と言うことになります。

 走ったり激しい運動をしたりすると体が熱くなりますが、これも運動のためのエネルギーを作り出すため、筋肉の中で活発に化学反応が進んだため、同時にたくさんの熱エネルギーが出てきたと言うことです。

 ちなみにこの運動時の活動エネルギーを産み出している代表的な器官は、細胞内にたくさんあるミトコンドリアの影響が大きいと思います。

 いろいろ私も調べてみたのですが、このミトコンドリアは、生物の教科書では草履のような恰好をして、単独で存在しているように見えますが、実は一つの細胞内に何百、何千とあってそれが相互に連携して化学反応を行っています。

 しかもこのミトコンドリアは、それ自身が分裂のための遺伝子を持っていて、必要に応じて細胞内で増殖をします。

 この必要に応じてと言う部分が大事で、要するに筋肉が常時使われるような状況になるとミトコンドリア数も増えると言うことです。

 逆に、運動不足になっていると徐々にミトコンドリアが減り、代謝活動や発熱活動が衰え、冷えが強くなると言うことのようです。いまさらながらミトコンドリアと運動の重要性を認識せざるを得ません。


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