血流回復、免疫力に効く?青汁

 最初に「青汁」です。スーパーに行くとこの手の飲料が山ほど棚に並んでいます。どれも体に良さそうに思えますし、一方でまあ気休めかなという雰囲気もあります。

 しかし実際のところどうなのか。先入観で判断しないで、先ずはその定義、さらに成分、効能、実際の飲用例等を調べてから、あらためて総合的に判断したいと思います。

 というわけで定義ですが、基本的には「様々な野菜の絞り汁」を主要成分として、それに必要に応じて何らかの飲みやすい味をつけたものと言えるような気がします。余談ですが本来は「青汁」ではなく「緑汁」だと思います。信号の緑を青信号と呼ぶのに似ているかもしれません。

 また野菜の絞り汁だと言うことに注目するなら、自宅で家庭菜園等で作った野菜をミキサーにかけて、その絞り汁を飲めば、最も新鮮で効果的な青汁が出来そうな気もします。ただし味についてはどんなものになるかまったく不明です。

 ではどんな野菜を絞っているのかということですが、ウィキペディアの青汁の項目を見てみると、メーカーだけで10いくつあるみたいですから、実際に製造されている製品は多種多様であることは間違いなさそうです。

 ただし主として利用されている野菜は、「大麦若葉」「小松菜」「ヨモギ」「ケール」(キャベツの一種)「桑の葉」「ゴーヤ」「アシタバ」「ホーレンソウ」「セロリ」といったもののようですから、家庭菜園で栽培できそうなのは小松菜やホーレンソウぐらいかもしれません。。

 その中でも当初は「大麦若葉」や「ケール」といった植物に注目し、青汁の歴史が始まったようです。その理由ですが、この二つの植物は栄養成分やビタミン成分が豊富であると言うことです。

 そこで我が家のすぐ近所にあるドラッグストアに行って、どんな青汁があるのかを見てきました。すると圧倒的に多かったのが「大麦若葉」を主原料としたものでした。(ついでに言うと、こんなに高いんだとびっくりしました)

 実際に箱を手にとって見てみたのですが、横に書かれた成分表には30種類ぐらいの名前が書かれていて「なるほどな」と思えました。

 ネットではどうかなと思って検索すると「山本漢方製薬株式会社」というページが出てきて、ここに厚労省が推奨する野菜摂取量は1日350gと書かれています。

 ところが現代人の食生活における野菜摂取量は300g弱だそうで、それを補うのに青汁がよいと言うように論理を展開しています。

 またそのページにはこの会社が製造している大麦若葉の青汁100g中の成分が70種類ぐらい書かれています。こう書かれると確かに健康には良さそうです。
 
 ただ私のこのページの目的は、こういった青汁が健康維持に役に立つと言うことを調べているのではなく、「免疫力を高める」または「ガンに対して効果があるか」ということを検討しているわけで、「様々な成分が凝縮されている」=「ガンに効果がある」とはならないような気もします。

 ただし、確かにネットの情報では「抗酸化力がある」「免疫力を高める」等の記述はあります。また植物繊維が多いので内臓を整える作用もありそうです。

 では通常の野菜に較べて、この大麦若葉を摂取することによって、抗酸化力や免疫力、血流改善といった効果が著しく望めるのかということが問題です。

 そこで「大麦若葉 臨床試験」というような検索語句で調べてみると、いくつかの実験例が出てきました。一つはこれを長期に使用することによって健康への悪影響は無いというもの。

 もう一つが便秘の改善。さらに下痢等の大腸症状の改善というものです。植物繊維が豊富であることから、小腸や大腸機能を改善することはあり得るだろうなと言う予測は出来ます。

 さらにウィキペディアでは、総コレステロールとLDLコレステロールの低下や、NK細胞活性の上昇、血液中のインターロイキン2(IL2):「T細胞の増殖と分化を促進」が上昇したという記述があります。

  もしこれが事実で(事実だと思いますが)であるなら、コレステロール値の高い患者さんや、ストレス等でNK細胞やT細胞が疲弊している患者さん、便秘がちで内臓の調子が悪い患者さんがいたとすると、一定の効果がありそうな気がします。

 逆にそういった症状がないひとが飲んでもあまり意味がないのかもしれません。つまり実際に調べてみて私自身も分かってきたことですが、健康食品であっても、その効能をよく調べて、自分の症状に合っているかどうかを考えないといけないと言うことのような気がします。

 なお当たり前だと思いますが、ガンの三大療法を受けずに、この「大麦若葉」だけでガンが治ったというような体験談はなさそうですから、あくまで補完的なものであると言うことだと思います。


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