リツキサンの効果が充分にでない理由

 
 リツキサンの効果が100%でない理由を私なりに考察してみると


1.B細胞に成長する直前にリンパ腫細胞への遺伝子変化が起きている

 そのため、その後に生産されるリンパ腫B細胞をいくら駆逐しても、根本が治っていないので、リツキサンが効果を発揮している間は、リンパ腫細胞は減少するが、その後また増える(再発する)とい考え方です。

 実はこれが我が家の連れの症状の実態ではなかったかと今も疑っています。理由は第一回目の治療が終わり、寛解宣言が出て、その後リツキサンのみを使っていたにもかかわらず、およそ半年で「再発」と宣言されたからです。

 ただしもしかすると6.に書いたように、リンパ腫細胞がリツキサンに対して抵抗力を持ったと考えることも出来るかもしれません。


2.リツキサンそのものが、すべてのリンパ腫細胞と結合するとは限らない

 リツキサンは点滴で静脈に入りますが、もともとがかなり大きな分子量を持っている物質のようで、初回投入時には様々な副作用が出ることが知られています。

 そういった薬剤が血管に入り、それが全身にくまなく行き渡り、すべてのリンパ腫細胞と結合できるのかという疑問があります。

 特に入院による運動不足で、筋肉が凝り固まり血行が悪いと、薬剤が充分に行き渡らないような気もします。(個人的な考え)

 もしこの考えが正しければ、患者さん側の努力としてストレッチやマッサージを行い、血行を良くするということで効果が上がりそうです。

 もちろん適度な運動が出来ればいいわけですが、化学療法と併用した場合、体力も落ちているという弊害が生じていると思います。


3.同時に化学療法を行っている場合、免疫細胞も減っている

 各種の免疫細胞の数が回復傾向にあるときリツキサンの投与が行われるのだと思いますが、その回復が充分でない場合、または免疫細胞の働きが弱っている場合は、折角リツキサンが結合しても、それを破壊、駆逐できない可能性があります。

 当然ながら化学療法と併用して行われる場合、正常細胞も大きな影響を受けますから、折角リツキサンがリンパ腫細胞に結合しても、それを破壊・駆逐することが出来ないという皮肉な結果になりそうです。


4.リツキサンの作用により、他の免役球だけでなく体全体の機能が制限される

 このことは「リツキサン注使用ガイド」というPDFファイル26ページに出ていました。患者さんがこの表を見ると様々な副作用があるようで、使用を躊躇ってしまうかもしれません。

 つまり3.と同じように、折角結合してもそれを破壊する免疫球が無いだけでなく、他の臓器への薬剤の影響があり、簡単に言えば、体力そのものが低下するということです。


5.薬の量(濃度)が足りない

 リツキサンの投与量は体の体表面積で決められていて、悪性リンパ腫の細胞量で決められているわけではありません。

 つまり、様々な副作用が予想されますから、ある限度以上は投与できないわけで、その投与量が足りなければ、リンパ腫細胞は生き残る計算になります。

 また2.で考えたように、我が家の連れのように体全体にリンパ腫細胞が分布している場合は、血液中の薬剤の濃度も関係するように思えます。

 またリンパ腫細胞が存在する場所によっては(元はリンパ球ですからリンパ管や組織液中にも存在するはずです)薬剤が浸透しにくい場所があるのかなとも思えます。
  


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