抗ガン剤が悪性リンパ腫に
有効な理由は不明

 最近、「ガンに対して抗ガン剤は効かない」という言葉をよく耳にします。真偽については今も様々な議論が行われていて、私にはまだその真偽を判断する知識がないと思っています。

 一方「抗ガン剤が効かない」と言いながらも、「白血病、悪性リンパ腫、乳ガン」等には効果が認められるという記述も見かけます。

 これはいったいどういう事なのか?通常のガンには効かないが、悪性リンパ腫には効果がある、というのはどういうことなのか?

 悪性リンパ腫と通常のガンは、その細胞が体細胞と血球(リンパ球)という大きな違いがありますが、その差が効果の違いとなってあらわれているのか?

 しかし乳ガンは体細胞に関連するガンだと思うので、単純に血球だから効くと言うのでもなさそうです。

 そうやって自分の考えをまとめていくと、そもそも抗ガン剤は何故効くとされているのか、という疑問すら浮かんできます。

 もともと抗ガン剤は毒ガス兵器が発端のようですから、発想としては「毒を持って毒を制す」と言うことかなと解釈しています。

 実際大学病院で抗ガン剤を調剤するときは、調剤する人がその薬剤に直接触れないように細心の注意を払って行われています。

 つまり抗ガン剤の一部が正常な人の皮膚についたりしたら大変危険であり、当然ながらそれが揮発性ならその気体を吸い込むのも危険だということです。

 そうやって調剤された毒物を、患者さんの血液中に直接送り込むわけですから、血管の内壁への影響に始まって、様々な臓器に強い作用が出現します。

 要するに正常な人なら単なる毒物であるものを、ガンになってしまって体力が低下しているヒトの体内に入れるわけですから、その効果はある意味劇的なものだとも言えます。

 その劇的な効果というのは、これまで調べた範囲では、要するに体内で活発に細胞分裂を行っているあらゆる細胞に対して、その分裂が出来ないように、細胞分裂のあらゆ段階に関与してそれをストップさせるというものです。

 つまり一時的に体の成長をストップさせ、いったん悪い細胞がすべてリセットされることを期待して投与されるわけです。

 そしてうまくリセットできれば、その後は正常な細胞が活発に分裂を行って、再び元気な体になると言うのが抗ガン剤治療のイメージかなと思います。

 しかし通常のガンでは効力があまりなく(というか、効力がありすぎて正常な細胞のダメージが大きすぎるという印象もありますが)、悪性リンパ腫には効果があるとはどういう事なのか?

 ネットでいろいろ検索してみましたが、「悪性リンパ腫に抗ガン剤治療は効果があるとされている」という記述は多数見つかりましたが、何故悪性リンパ腫に効果があるのかを説明しているものは見つかりませんでした。

 ということは、これは単に統計的にそういうことが分かっているというだけの事であって、どうしてか?と言うことは分かっていないということになりそうです。

 ごく単純な疑問ですが、こういった基本的な部分すら解明できていないのに「統計的に効果がある」という根拠だけで抗ガン剤治療が行われていると言うのが実態のようです。

 もちろん統計的に優れた効果が出ていれば、そのメカニズムが解明されていなくても、誰もがその治療を採用するわけですが、現状は、この治療をやればなんとか%の確率で半年間の延命効果が望めますというような言い方もあり得るわけです。
  
 つまり残念ながら現段階では、悪性リンパ腫については、統計的に見て多少効果がありそうだから、とりあえず標準的な治療をやってみて、その結果を見ながら手探りで治療方針を決めていきましょう、と言うのが実態なんだろうなと思っています。


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