11月30日(金)。退院33日目。
PET、CTの検査結果を聞きに行く。当然ながら血液検査も実施。血液検査はクレアチニンがやはり1前後で高いが、CRPは0.10、白血球は4160と正常値になり、その他の数値もまったく問題ない。
PETとCTの画像を見ながら、主治医が説明してくれる。
「入院初期に大きくはれていた各種の臓器が、ほぼ正常の大きさに戻りました。また治療の効果が表れ、画像で見る限りリンパ腫細胞の集積はまったく見られません」と、うれしそうに話してくれた。
「寛解と言える状態でしょうか」という私からの問いかけに、「そう判断して間違いないと思います。ただ画像には出てこない細胞が残っていることも考えられますので、今後とも経過を診ていきたいと思います」とのことで、ようやく最初の闘いに終止符がうたれた。
この後は2週間ごとに血液検査。必要に応じてレントゲン撮影を行ったが、翌年の2月まではまったく問題なく、再発に怯えながら刹那的に出かけていた買い物や旅行への情熱も少しずつ納まり、体力の回復と共に徐々に普通の生活に近づきつつあった。
12月24日(月)。退院57日目。
年の瀬だが、体調が良いことと、たまたま良い旅館の予約が取れたので、熱海に二泊三日で行くことにした。
歩ける距離は徐々に伸びているが、連続では歩行器を使っても100メートルぐらいが限度である。
それでも、休みながらなら数100メートルは歩けるまでに回復した。たとえ長い距離歩けなくても家族で行く旅行は楽しい。翌日は伊豆高原でYや息子が好きな猫の博物館へ行き、夜は有名な熱海の花火を部屋の窓から楽しんだ。
2008年1月6日(日)。退院70日目。
新しい年が明けた。昨年は大変な年だったが、今年は今のところ順調な滑り出しだ。大晦日数日前から、冬休みを利用して息子はYの実家に泊まっている。
私は十数年ぶりに、一人で元旦を迎えた。Yも息子もいない家の中は静かで、寂しさも感じるが、息子の世話?から解放されて、ちょっとだけ気楽な一人暮らしを楽しんだ。
この日は横浜のホテルで1泊2日の小旅行。夜は中華街で夕食。翌日は横浜のショッピングモールを散策。
やたら旅行に行くが、実家に帰ってきたこの時期に、少しでも家族一緒の時間をもちたいと思っていた。やはり「再発」という文字がいつも頭の片隅にある。金銭的負担は大きいが、Yの笑顔には変えられない。
その後2月の通院時でもまったく問題はなく、この状態が夏まで続けば、昨年行けなかったハワイにも、今年は行けるねと話し合っていた。ところがである。