ガンの分類と悪性リンパ腫


 ガンというものが細胞の異常増殖であり、勝手に増え続けるものであることが分かりました。一方人間は基本的に細胞で出来ていて、その数は約60兆個ありますので、場合によっては正常な細胞分裂が行われない場合もあり、それが自滅あるいは駆逐されればいいのですが、そうでない場合はガンとなって増殖を始める場合があると言うことが分かりました。

 ということは、ガンの発生は人体のほとんどの部分で起きる可能性があるということです。そこで、そのようなガンを医学の世界ではどのように分類しているのかと言うことを調べてみましたが、これもまたいろいろな分類方法があるようです。その中で、我々素人にも分かりやすいのは、どこで発生するかという部位別の分類です。

 以下ざっとですが簡単に書いてみると
・ 脳、神経
・ 口、のど
・ 胸
・ 消化管
・ 内臓 
・ 泌尿器
・ 皮膚
・ 骨、筋肉
・ 血液、リンパ

 というように、予想通り全身が対象になっています。この中で、いわゆる「悪性リンパ腫」と言われるものが属してる部位は血液、リンパとなります。

 この記述を見て、二つ気づいたことがあります。

 一つ目。「ああ、なるほどな」と思ったことは、血液、リンパを除いた他のガンは、ある程度場所(部位)が固定されるのに対して、血液、リンパに属する悪性リンパ腫の場合は、血液やリンパ液、組織液の動きにのって体の各部位に勝手に運ばれてしまう、と言うことが大きな違いかなと感じました。

 つまり通常のガンと違って、特定の部位を対象にした、切除や放射線治療が出来ないということです。

 もう一つは、血液やリンパでのガン以外の普通のガンでは、そのガン細胞を駆逐するのにリンパ球のT細胞やNK細胞が活躍するはずなのですが、悪性リンパ腫では、そのT細胞やNK細胞そのものがガン化してしまう時もあるということで、これは厳しいなと感じます。

 つまり増殖し始めたB細胞やT細胞、NK細胞と言った細胞を駆逐する細胞が、同じB細胞やT細胞、NK細胞であるということです。

 本来なら、自分自身で、自分は良い細胞なのか悪い細胞なのかを判定し、悪いと思ったら自滅するか他の良い細胞が悪い細胞を駆逐するという体勢を作らなければいけないわけですが、どうやって判定するのか、という部分を治療に置き換えると難しいなと感じます。


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