いろいろな検査が必要な理由

 悪性リンパ腫にしても、白血病にしても、血液の病気の診断はかなり難しいようです。その理由は血液やリンパというものが全身に分布しているため、リンパ球の異常による影響が、体のどこに出てもおかしくないからだと思います。

 ただ悪性リンパ腫の場合は、最も顕著な症状はリンパ節の腫れですから、そこから病名が分かった人も多いかもしれません。

 しかし我が家の連れの場合は、当初単に「体が異常にだるい」という症状であり、私自身は当時「悪性リンパ腫」という病名をまったく知りませんでしたから、「過労」「ストレス」が主たる原因で、場合によっては「肝臓」や「腎臓」の機能が落ちているのかも、と言う疑いぐらいしか抱いていませんでした。

 当然ながら上記の判断は素人判断です。しかしながら、当時何回か日頃から利用してる診療所で診察してもらいましたが、問診や聴診器での判断では、私同様「過労でしょう」ということで、漢方薬なんぞを処方してもらっていました。

 つまり当初は内科の医者でも分からなかったということです。(診療所の医者の診断が下手で発見が遅れた、という訳ではありません。この医師は比較的良心的に的確な判断を下してくれる医師です)

 というわけで、リンパ節の腫れ以外にも、リンパ球の増殖により、間接的になんらかの症状が出る可能性があり、その症状だけを診て、悪性リンパ腫まで疑う医者は少ないということです。

 またリンパ節が腫れるという顕著な症状があっても、それはもしかしたら単に風邪をひいただけかもしれません。つまり「腫れた」という明白な事実があっても、やはりすぐには「悪性リンパ腫」とは断定できないと言うことです。

 そこでどうするか?一般的な病院では、普通に診断して投薬して様子を見ても症状が改善しない場合、「それじゃあ、検査をしてみましょう」と言うことになります。もちろん自分から検査を申し出る場合もあります。

 我が家の場合も、漢方薬ではほとんど効果が表れなかったので、ともかく検査をしてもらえ、と何回も言いました。

 (本人としても検査をすると何か思ってもみない診断が下されるのではないかという疑いを持ち、かえって躊躇していたのではないかと思える節もあります)そして検査結果から、次々と話が展開していきました。

 まとめると、悪性リンパ腫の診断の基本ですが

@ 一般的な症状はリンパ節の腫れのようですが、腫れ=悪性リンパ腫とはならない

A リンパ節が腫れない悪性リンパ腫もある

B その場合血管は全身に張り巡らされているので、直接または間接的に全身のどこに症状が現れてもおかしくない

C 当初は症状が出た直接の原因を考えることになりますが、実際にはその裏に悪性リンパ腫が潜んでいることがある

D 従って診断には各種の検査が必要になる

E 各種の検査とは、血液検査、尿検査、超音波、レントゲン、CT、MRI、場合によってPET等で疑わしさを総合的に判定せざるを得ない

F 血液の疾患があるのではないかという疑いが下された場合、最終的な診断は、骨髄検査等、組織の一部を実際に取りだして観察する(生検)ことによって確定できる 

という流れになるのかなと思います。


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