尿検査から分かること

 ここから先は、様々な検査の数値の解説になります。これについては病院の検査の解説書がいろいろ出ていますので、そういった書籍を一冊買ってくれば分かる内容が多いです。

 しかし一般的な数値のガイドブックでは、標準の範囲はこの程度で、そこを逸脱するとこれこれの部分が悪い、またはこういった病気が考えられるという記述が多く、何故なのかということまで書いてるものは少ないように思います。

 ところがもしかしたら悪性リンパ腫かもしれないという疑いを抱いて、若しくは診断が確定してからこういった検査の数値を患者は診るわけで、その時何故そのような数値になるのかという理由が分からないと、ただ単に良くなった、悪くなったと一喜一憂するだけに終わってしまいます。(実際私の場合も訳も分からず、数値に振り回されていた時期がありました)

 というわけで、一つ一つの項目の意味をきちんと押さえてからその数値を判断しないといけないなと感じています。そうすれば、数値を逸脱したとき、これはしょうがないんだと納得できる場合もあるし、これは早急に手を打たねばならないと考えることも出来るはずです。

 ただ、残念なことに悪性リンパ腫の病気内容が最先端の病理であるため、私自身が今持っている知識で、上に書いたようにきちんと数値の意味を理解できるのか、あまり自信はありません。

 そこで、このサイトでまとめることによって数値の意味を一つずつ理解していこうと考えています。先ずは比較的分かりやすそうな尿検査からです。ただし、尿検査は悪性リンパ腫と直接関わる部分は少ないようです。

 要するに体調が悪いと訴えたとき、検査と言われて実施するごく標準的または一般的な検査であると言うことだと思います。

 方法は簡単です。コップに数cm尿を採るだけで、痛みはもちろんありませんので助かります。尿検査の項目ですが「蛋白」「糖」「潜血反応」「ウロビリノーゲン」「比重」「PH」などがあります。

 そこでこれらの項目を理解するために、先ずは尿についてまとめます。尿はどこで作られるかというと腎臓で作られます。腎臓は我々の背中側で横隔膜(しゃっくりをするところ)の上に二つあります。いわゆる脇腹の後ろ側といえばいいのでしょうか。大きさは空豆の種子の形と良く言われますが、長さが12cmぐらいで、重さが150gだそうです。

 この臓器の中を多量の血液が流れ、その際血液中の成分濃度を調節し、老廃物を濾し取り、尿の中に溶かし込み排泄するはたらきがあります。

 ではどの程度の量をろ過しているいるのかというと、1日180(L)ぐらいの水分がこの中を通過するみたいで、その内1.5(L)が尿として排出されます。

 この1.5Lすなわち1.5kgの尿の中に、尿素が約30g、ナトリウムイオンが6.1g、塩素イオンが9.1g、カリウムイオンが3.4g、カルシウムイオンが0.3g含まれているそうで、それ以外にはクレアチニン、尿酸、アンモニア等がわずかに含まれます。

 従って上記の検査項目である「蛋白」は、基本的には含まれないと考えられます。検査結果は++、+、±、−等の記号で表されますが、当然「−」が普通の状態です。

 これが+になっている場合は、腎臓の機能が低下している証拠となります。つまり「腎炎」に難っている可能性があるという事です。


表紙に戻る 尿検査、血液検査 尿中の糖、ナトリウム