血液検査の項目(血しょう成分編2)

総コレステロール TC
コレステロールが高いから下げなくてはいけない、と良く言われますが、実は細胞膜を作る重要成分です

基本的には脂質として分類される物質の一つの種類ですが、要するに一般的には脂分です

またこの中にHDLコレステロールとLDLコレステロールの二種類が存在し、最近は総コレストロールの数値ではなく、HDL、LDLそれぞれの数値が示されるようになりました

当然ながら不足すれば細胞膜の原料がなくなるわけですから、体内の様々な部分に影響を与えます

一方多すぎると、その脂分が血管の内壁にベットリとくっつき高血圧や動脈硬化、心筋梗塞等を起こす可能性があると言うことで、一定の値を越すと保健指導が入ります

120mg/dL 220mg/dL
トリグリセド
(中性脂肪)
TG
上記のコレステロールとは違った形の分子構造(化学式)を持つ脂質(脂分)です

いわゆるエネルギー源になります

カロリーの多いものを食べすぎると数値が上昇し、皮下脂肪として蓄えられます

食後や飲酒後でも高くなります。当然ながら食べ過ぎ、飲み過ぎ、肥満、運動不足でも高くなります

数値が高い場合の危険性はコレステロールと同様です

40mg/dL 149mg/dL
総ピリルビン
赤血球が壊れるときに出来る黄色い色素のことで、胆汁の成分です

この数値が大きい場合、皮膚の色が黄色っぽくなり、肝臓の機能障害が疑われます

0.3mg/dL 1.2mg/dL
ナトリウム Na
食塩NaClとして、食べ物から取り入れています

体液の濃度や酸塩基(酸アルカリ)の調整を行っています

下痢や嘔吐、発汗で水分が失われると数値が上昇します

また腎不全等で腎機能が低下すると、体内の水分が過剰になり、数値は低くなります

138mEq/L 147mEq/L
塩素 Cl
ナトリウムと同じ働きをしますが、ナトリウムが溶液中で陽イオン(プラスの電気を持った原子)になるのに対して、Cl(塩素)は陰イオン(マイナスの電気を持った原子)になります

また胃液(塩酸)の成分にもなります

基準値を超える場合、下回る場合も基本的にはナトリウムと同じです

98mEq/L 110mEq/L
カリウム K
神経や筋肉の働きを調節している物質です

高い場合は腎不全が疑われ、利尿薬では低くなります

3.3mEq/L 4.8mEq/L
カルシウム Ca
一般的には骨や歯の成分として知られていますが、血液中にもわずかに含まれています

我が家の連れは、この数値が以上に高くなっていて、急性腎炎と診断され緊急入院しましたが、その後他の検査の数値により悪性リンパ腫と分かりました

8.5mEq/L 10.5mEq/L
リン P
ほとんどが骨や歯に存在していますがその他、核酸等の成分になります

2.4mEq/L 4.4mEq/L


※ mEq/lはメックパーリットルと呼びますが、正確にはナトリウムの場合mmol/L(ミリモル毎リットル)となり、1L中に何m(ミリなので1000分の1)モル含まれているかをあらわしています。従って、上記の数値で138mEq/Lというのは1L中に138mmol=0.138molナトリウムが含まれていることになります。

 ナトリウム1mol(ナトリウム原子が6×1023個集まったときの重さ)は23gなので、0.138molは23×0.138=3.174gとなり、1L中にナトリウムが3.174g含まれていることになります


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