抗ガン剤はいずれも細胞分裂を阻害する、という働きを持っています。それぞれの種類の違いは、
@ 細胞分裂に欠かせないDNAに働きかけるもの
A 分裂を促す酵素等に働きかけるもの
B 免疫力を強化するももの
等、三つに分類されます。
また@は、DNA合成時のどの部分に働くか(結合部分、酵素、紡錘糸、細胞膜、螺旋構造)で分けて考えることも出来ます。
従ってそれぞれの薬剤を組み合わせることによって、DNA合成や細胞分裂そのものの一連の連続過程を壊すことが出来るので、ガン細胞を効率的に破壊することが出来ます。
ただしそれぞれの薬剤は、それぞれ特有の強烈な副作用が出ますので、その用法や用量に注意が必要になります。
名称 | 説明 | |
@ | アルキル化剤 | DNAの結合部分に作用して分断したり、結合をねじ曲げたりします |
シクロフォスファミド(エンドキサン):C | ||
代謝拮抗剤 | DNA合成に必要な酵素を阻害します | |
シタラビン(キロサイド)、フルダラビン(フルダラ)、メトトレキサート(メソトレキセート) | ||
植物アルカロイド | 強い毒性のある植物成分を応用した抗がん剤 細胞分裂を行うとき染色体を引き寄せる役目を持つ紡錘糸の働きを阻害:微小管阻害剤 二重螺旋構造を解きほぐすトポイソメラーゼを阻害:トポイソメラーゼ阻害剤 |
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エトポシド(ラステッド)、ビンクリスチン(オンコビン):O | ||
抗ガン性抗生物質 |
土壌中のカビ等からつくられたもの |
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イダルビシン(イダマイシン)、ドキソルビン(アドリアシン):H、ブレオマイシン(ブレオ) | ||
プラチナ製剤 |
DNAの二重らせん構造に結合してDNAの複製を阻害します |
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カルボプラチン(カルボプラチン、パラプラチン)、シスプラチン(シスプラチン) | ||
A | ホルモン剤 | ガン細胞を増殖させるようなホルモンを阻害するホルモン |
ブレドニゾロン(ブレドニソロン、ブレドニン):P | ||
分子標的薬 | ガン細胞の特別な形を識別し、それを標的として作用する | |
イブリツモマブチウキセダン(ゼヴァリン)、イマチニブ(グリベック)、ベバシズマブ(アバスチン)、リツキシマブ(リツキサン):R | ||
B | 生物学的応答調節剤 | 体内の生物学的反応を引き出して治療を行う 免疫調節剤とも呼ばれる インターフェロン、サイトカインに大別される |
※ 赤字はR−CHOP療法で使われる薬剤
※ それぞれの抗ガン剤の具体例は代表的なものです。これ以外にも多々あります