ミトコンドリア

 CHOP療法は初日にすべての薬剤を投与し、プレドニンだけはその後5日間連続投与という日程になっています。本来なら、この5日間が終わったらすぐにまた抗ガン剤を投与すればリンパ腫細胞へのダメージは更に大きくなるはずですが、実際にそのようなことは行われません。

 その理由は、抗ガン剤によってリンパ腫細胞が駆逐されると同時に正常細胞の細胞分裂も阻害され、さらに抗ガン剤が持つ毒性の影響で、骨髄抑制や様々な副作用が生じるからです。

 つまり本来なら連続して行うことがもっとも効果的なのですが、それをやったら体力がもたないので、その回復期間を2週間程度とる必要があると言うことです。

 しかしこの2週間の間に、正常な細胞はもちろんどんどん復活していきますが、生き残ったリンパ腫細胞も最初の勢いほどではないにせよ、再び増殖を始めます。

 従って、化学療法がもっとも効果を発揮するのは、この2週間の間にどの程度体力が回復するか、さらに免疫力を維持できるかということにかかっているはずで、そのためには体力を維持することが不可欠であるという結論になります。

 一方化学療法については、どちらかと言えば医師団任せの治療になりますから、体力維持の他に何か出来ることはないのか、というのが患者さんや家族の気持ちだと思います。

 そこで免疫力強化という語句に惹かれ、代替療法としての免疫療法を考えたりするわけですが、そのことについてはまた後で調べることにして、もう少し基本に立ち返ったことを考えてみたいと思います。

 それは何かというと細胞死(アポトーシス)のことです。なぜリンパ腫細胞が出来たとき、一番最初の防壁となる細胞死(アポトーシス)が発動しないのかと言うことです。

 実はこの部分についてもっともっと突っ込んで書きたいと思っていたのですが、この辺りまで来ると生化学の専門的な知識がかなり必要になってきて、正直なところ私の手には負えないなと感じていました。そのため、これまではあまり突っ込んで書いてきませんでした。

 しかしながら、悪性リンパ腫の治療を真剣に考えたらやはりこの部分は真面目に考えないといけないなと思い、最近少しずつネット等の情報を見ています。

 その結果最初に分かったことは、細胞死(アポトーシス)は細胞内のミトコンドリアに関係があると言うことでした。そこでまずミトコンドリアについて改めて調べみようと考えました。

 ちなみにミトコンドリアというのは「ミト」:糸、「コンドリア」:粒の二つの語句の合成語で、糸が詰まった(かたまった?)粒というようなニュアンスだと思います。 


表紙に戻る さらに考えると ミトコンドリアの特徴