動脈硬化になった血管の改善

 前ページからの続きです。

 最初に取り組むべき事は動脈硬化の改善であるという結論になりました。そこで先ず考えなくてはいけないことは、自分の血管の状態はどうなんだろうかということですが、しかしその前に動脈硬化のイメージを持ってもらおうと思います。

 先ず動脈の構造というか形ですが、心臓から出る動脈の太さは直径3cmぐらいあるみたいです。それが末端に近づくにつれ枝割れをしていきます。樹木の幹から枝のようなイメージでしょうか。

 この血管の管の構造ですが、三層構造になっています。特に一番内側の内膜と呼ばれている部分は、細胞が平面上に一列だけ並んだような構造で、その内側は血流や血球が管壁に摩擦を起こさないように滑りやすくなっています。

 通常の血液の場合、この中を何の問題もなく通り抜けていくわけですが、血しょう中にLDLコレステロールや中性脂肪が多いと、これが内壁に徐々にくっつき、その部分が少しずつ分厚くなって、血液の流れ道を邪魔するようになります。

 また動脈ですから、心臓からのポンプ作用で血液が送られてくるわけですが、心臓が収縮した瞬間に大量の血液が血管内を通るわけですから、その部分が膨張します。

 この膨張が順繰りに伝わって血液が送られるわけですが(蛇がカエル等を丸呑みしたときのようなイメージかなと思っています)、当然血管は弾力性がないと血液をうまく送ることが出来ません。

 高齢者の場合は、これらの血管壁を構成している細胞や、それを取り囲む筋肉等のはたらきが徐々に衰えるため弾力性が失われます。これが高齢者の動脈硬化の一因です。

 しかし若年者であっても、血管内壁に上記のLDLコレステロールや中性脂肪が付着していくと、管内が狭くなるだけでなく、細胞の柔軟性も失われますので、ますます動脈硬化の症状が激しくなります。

 変な具体例ですが、先日我が家の台所からの水道の下水が詰まってしまい修理を頼みました。

 台所では三角コーナー等を使って通常のゴミはすべて取り除いて流していたので、まさか下水が詰まることはないだろうと高をくくっていたのですが、見事に逆流し、床が水浸しに。

 慌てていつも修理を依頼している方を呼んで調べてもらうと下水が詰まっていることが判明。理由はフライパン等のサラダ油の残骸が、パイプの中にこびりつき、その厚さが徐々に分厚くなり、最後に詰まってしまうと言うことでした。

 ではどうするのかというと、一番手っ取り早いのが、この油の塊を無理矢理取り去ればいいとのことで、柔軟性のある棒のような物を下水管の出口の方から突っ込み水を同時に流しながら、力を込めてガシガシ突っついていました。

 するとしばらくして肌色をした直径5cm以上の粘土のような油の固まりがボロボロ出てきてびっくり。築17年ぐらいの家ですが、気をつけていても油はたまるんですね。このくらい固まっていると市販の薬では溶かせませんと言われました。

 というわけで、「うわ〜、これはまさに動脈硬化だ」と思ったわけです。築17年の家で直径10cmぐらいありそうな下水パイプが詰まるわけですから、ましてや直径3cm以下の血管の中に脂がたまったらと思うと、詰まるのは当たり前だと感じました。これで動脈硬化の雰囲気を理解いただけますでしょうか。


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