睡眠と自律神経

 ウィキペディアによれば、睡眠というのは「からだの動きが止まり、外的刺激に対する反応が低下して意識も失われているが、簡単に目覚める状態」と言うことになることで、その目的は「心身の休息、記憶の再構成など高次脳機能にも深く関わっている」ということだそうです。

 つまりウィキペディアでは睡眠の目的を

@ 心身の休息
A 記憶の再構成

というように位置づけていると思われます。確かに眠ることによって、目が醒めた時「よし今日もがんばるか」という気持ちになるわけですから、@については実感できます。

 Aについてですが、私自身こういったホームページを作ったりして、いわゆるコンピューターによる作業というのを日々こなすようになって、「あっなるほどな」と思ったことが一つあります。

 それは、パソコンを日々使っていると分かるのですが、様々なソフトのアップデート情報が来ます。またウイルス対策の情報も来ます。それらの情報はほとんどの場合、アップデート情報をインストールして再起動、という作業が必要になります。

 実はこの「再起動」というのが、人間でいうところの「睡眠」に該当するなと私は思っています。

 つまり日々何らかの作業やネットからの情報をパソコンの記憶領域に記憶させながら、様々な仕事をこなしているわけですが、キリの良いところでそれらを整理して、一時的な記憶(一時ファイル)から恒常的な大脳の記憶(ハードディスク)に移し替えるとき、人間の場合は睡眠、コンピューターの場合は再起動という作業が必要になる、ということです。

 ちょっと本題からはずれますが、受験勉強で英単語を覚える場合でも、起きているときに覚えようと努力すると、それは脳の一時ファイルに保管され、寝ることによってそれが記憶領域に整理されて格納される、と言うことを聞いたことがあります。

 つまり英単語を一時しのぎではなく、しっかりと記憶に定着させようと思ったら、満ち足りた睡眠が必要だと言うことです。

 というわけで、日頃の体験を定着させるのが睡眠の一つの目的ですが、最初に戻ってもう一つの心身の休息も大変大事な目的です。

 ただその内容は二通りあると思われます。漢字でも心身と書いてあるように、心と体の両方を休息させるという意味になるかなと思えます。

 では起きている状態から睡眠状態に移行すると、体内では何が変わるのか。これについて調べてみると、これは簡単です。自律神経の綱引きで、副交感神経系が優位に立つということです。

 そもそも人間の体というのは、自分で意識しなくても、交感神経系と副交感神経系が常に体内で綱引きを演じていて(それを全体として自律神経と呼びます)、一般的に起きている間は交感神経系、寝ているときは副交感神経系が優位に立っています。

 で実はこれが免疫力を高めるポイントになるのではと私は思っていますが、それについては次ページでまとめたいと思います。


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