水分子の構造と極性

 水と免疫力の関係を考えて、良質の水を追究する場合、その水の性質は

@ 粘性が少なく流れやすい
A 様々な栄養分が溶けやすい

という2点にまとめられるのではないかというのが前ページの結論で、この二つを満たすために水分子の集合体は小さい方が良いはずで、その集合体のことを水クラスターという言葉で表すと書きました。

 また水クラスターというものの大きさを考えるためには水分子の形の特異性を考慮しなければいけないと思い、水の分子構造(形)を紹介しました。

 そもそも水分子そのものが何でH−O−Hというような、原子が一直線に並んだような状態にならないのかというのが不思議なところですが、これを説明するのは私ではちょっと力量不足です。

 しかしながら、この構造故に生じる水分子の特異性については説明が出来ると思うので、その事について今日はまとめたいと思います。

 原子というのは、真ん中に陽子というプラスの電気を持った小さな粒があり、その周りにマイナスの電気を持った電子が存在します。真ん中にある陽子は物質によってその数が決まっていて、水素は1個、酸素は8個あります。

 ということは原子全体では電気は±ゼロの状態で考えて良いので、水素は電子を1個、酸素は8個持っています。

 水分子の場合、中央に酸素が来ますので、酸素の中心にある8個の陽子が、周りにある8個の電子を引っ張っています。(プラスとマイナスの電気は引きつけ合います)ところがこの引っ張る力は、酸素の外側にある水素の電子にも及びます。

 つまり全体として電子が中央付近に集まり、水素の陽子が剥き出しになります。こんな感じです。点が電子を表します。

 ・・
:O:H
 ・・
 H
 
 実はこの書き方は化学で言うところの共有結合の電子式と言われているものです。この時、目で見て分かると思うのですが、中心の酸素付近に電子が集まっているので、周辺の水素の外側に電子がなく、水素の陽子が剥き出しになると言うことです。

 と言うことは、この水分子にはプラスとマイナスの偏りが生じることになります。これを極性と言いますが、要するに酸素の近辺はマイナスの電気が強くなり、水素の近辺はプラスの電気が強くなるということです。

 これを図に書くと

  -
-O-H 
  |
  H
 

という図になります。実はこの+と−が一つの分子の中に表れるため、他の水分子の+と−を引きつけ、いくつかの水分子のかたまりになります。これが水クラスターです。

 またこの+と−の偏りがあるため、水は何でもものをよく溶かすという性質を持ちます。

 なお水分子がこのようなプラスとマイナスの偏りを持つと言うことは、水道の水とストローや定規、ティッシュペーパーで簡単に証明できます。

 水道の水を先ず少し細くした状態で流しっぱなしにします。次にストローや定規等のプラスチック製品をテッィシュでこすります。下敷きでもOKです。要は静電気を発生させているだけです。ジュースの空き缶をティシュやサランラップでこすっても良いです。

 こすったら、そのままさきほど流しっぱなしにしていた水の流れに、少しずつ近づけていきます。すると突然真下に落ちていた水が、静電気を帯びた物体の方に、ググッと近づいて曲がる現象を観察できます。

 これは水分子が静電気を帯びた物体の電気に引っ張られ、水流全体が曲がるという現象で、手軽に実験出来ます。これによって水分子が電気の偏り(極性)を持っているということが証明できます。


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