アスタキサンチンとは

 「ガンに効く」という健康食品の中に「アスタキサンチン」という、これまで効いたことのない名前の健康食品が含まれていました。

 いったいこれはどんな物質なのか。なぜ健康食品として扱われているのか。ガンに対してどんな作用があるのか。早速調べてみました。

 例によって最初はウィキペディアです。1938年に発見された物質でカロテノイド(色素)の一種で、甲殻類の殻や、それらを餌とするマダイの体表等に分布するそうで、要するに赤い色の色素だと言うことです。化学式はC40H52O4と言う、大変大きな分子量の物質です。

 性質ですが、ひじょうに強い抗酸化作用を持っていて、紫外線や脂質過酸化反応から生体を防御する因子として働いているそうです。

 ガンに関する話題としては、上記の強い抗酸化作用によるものだと思われます。つまり生体の組織がミトコンドリアから生じた余分な活性酸素の悪影響を受けようとするとき、その活性酸素を素早く取りこみ、生体にとって無害なものにしてしまう作用があると言うことです。

 ただしその作用について専門的に調べたデータは少ないみたいです。

 言葉通りに解釈すると、活性酸素の過剰なエネルギーが特定の増殖中の細胞にはたらき、染色体に異常を生じさせ、それがガン細胞になる可能性はありますので、いわゆるガンに対する予防薬としてのはたらきがあるのかもしれません。

 しかしいったん発生して増殖を始めたガン細胞に対しては、抗酸化作用だけではあまり効果が上がらないような気がします。

 つまり抗酸化作用という観点からだけでは、予防のための健康食品としては使える可能性はありますが、すでに発生したガン細胞を消滅させるような効果はないように思えます。

 ただし加齢と共に細胞内のミトコンドリアが作り出す活性酸素の量は徐々に増えていくような気もしますので、日頃からこういった物質を健康食品として服用すれば、老化の防止に繋がるかもしれないとは思えます。

 ただ私がこのサイトで考えているのは、ガンに対して効果がありそうな健康食品ですから、その意味においては予防にはなっても、発生後にこれを服用しガンを治癒させる効果は乏しいのではと思えます。

 また何でもかんでもとにかく活性酸素を減らせばいいというものでもなく、活性酸素自体が殺菌等の役割を担っていることも確かなようですから、無闇と抗酸化物質を摂取するのも考えものだろうと思っています。

 結局はβグルカンもそうですが、自分に取って何が不足しているかが分かれば、その不足しているものを補うという意味で健康食品を使うのもいいのかもしれませんが、単に効能だけを信じて必要もないものを摂取しても過剰摂取となるだけで、体の負担が増すだけだろうなあと感じています。


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