キャッツクローとは

 キャッツクローという健康食品があるそうです。「猫の爪」という名前なのかなと言う気もしますが、とりあえずいつものようにウィキペディアで調べてみました。

     



 原産地は南米ペルーの標高400〜800mのアマゾン奥地に自生する蔓性植物だそうです。この植物の葉の付け根に「猫の爪」のようなトゲが生えていることが名前の由来になっています。

 どうゆう経緯で健康食品になったのかはよく分かりませんが、もともとこの地域に住んでいた人たちが伝承薬として関節炎やリウマチの治療に使っていたようです。つまり昔から薬草としてのはたらきに注目されていたと言うことです。

 また世界保健機関(WHO)は1994年にこのキャッツクローを、副作用のない抗炎症剤として公式に認定したそうですから、こういった作用が世界的な視野で認められているということです。

 なおウィキペディアでは、サプリメントとしての機能として、気管支喘息や気管支炎にも効果があるような記述があります。この薬が抗炎症剤として考えられるならば、喘息や気管支炎も、気管の炎症が原因になっていますから、当然効果があると思われます。

 しかし免疫力強化については、免疫強化作用と持つと思われる、というような慎重な言い回しの記述になっていますので、持つとは断言できないと言うことだと思います。

 ではこういった薬理作用を引き起こす成分はいったい何なのかということですが、この植物の根や樹皮に含まれる五環系オキシインドールアルカロイドではないかと書かれています。

 しかしではこの五環系オキシインドールアルカロイドとはいったいどんな物質なのか。もしこの物質が抗炎症剤や免役強化としての薬理作用を持っているなら、この成分を中心にした薬があってもおかしくないなとも思います。

 そう思って調べてみると、そもそもアルカロイドとは植物が持っていて、動物に対して強い生理作用を持つ有機化合物の総称という定義になるようで、特定の純粋な物質を指すわけではありません。

 すでに抗ガン剤の中にアルカロイド系と呼ばれる物質が多数ありますので、悪性リンパ腫の治療を受けている人は、この「アルカロイド」という語句そのものには馴染みがあると思います。

 つまり動物に対して強い薬理作用を持つからこそ、抗ガン剤としての地位を確立しているわけです。

 というわけで、キャッツクローが持っていると言われるこの五環式オキシインドールアルカロイドという物質も、元を正せば6つの成分に分かれるみたいです。それぞれの名称ですが

イソテロポデイン
テロポデイン
イソミトラフィリン
ミトラフィリン
イソリンコフィリン
リンコフィリン

だそうで、特に上端のイソテロボデインが免疫力に関係すると書いているページが多いです。(ただしそれらのほとんどすべてが健康食品の販売サイトであることに違和感を覚えます)

 ちなみに「ポ」ですが、正式名称は「po」のようです。だからどうだということもないのですが、こういった成分の表示が間違っているようなサイトで健康食品として購入するのはどうかなと思ったので指摘しました。

 また「イソ」というのは、「イソ」が付いていない物質の構造とほんの少し違う形をしているという意味です。

 というわけで、こうなってくると「イソテロポデイン」という物質に免疫力強化のはたらきがあるのかどうかと言う部分が気になるわけですが、現地の人が昔から使用していたと言うことであれば、抗炎症剤としての作用があることは間違いなさそうです。

 問題は「免疫力を高める」のかどうかということです。抗炎症剤としての効果を「免疫力が高まったからだ」と考えることが出来れば、あながち間違いではなさそうですが、具体的に例えばリンパ球を増やしたとか、リンパ球の活性を高めたというような臨床例はほとんどなさそうです。(だからこそ健康食品としての範疇にしか入らないのだと思いますが)

 とはいうものの、免疫力にはまったく関係しないとか、免疫力を高める効果は全くないと断言または証明することも出来ません。

 従って、例えば大量化学寮法の副作用で、口内炎を起こしている等の炎症反応があるとき、それを改善しながら、あわよくば免疫力も高まることを期待して、このキャッツクローを利用することは考慮しても良いのかもしれません。

 ただしこれは私の個人的な考えですから、利用に当たっては医師との相談が不可欠だと思います。


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