酢の効能

 酢は体によい、と言う話を昔聞いたことがありますが、何故良いのか、どんなはたらきがあるのかと言うことを真面目に調べた事はありません。何となく体に良さそうだ、というイメージがいつの間にか染みついているように思えます。

 前ページにも書きましたが、我々が料理等に使っている食酢の濃度は4%前後です。つまり食酢として売られている製品100g中に4gぐらい酢すなわち酢酸が入っているということです。

 ちなみに酢酸の化学式はCH3COOHと書きます。高校の化学では重要な弱酸として扱われています。酸っぱい理由は、このCH3COOHが水溶液中ではイオンに分かれ、水素イオンを生じるためです。さらに言うと、この水素イオンの量が溶液の酸性度を決定します。

 次にでは、通常の食酢で、酢酸以外に人体に有用な物質として何が含まれているかということですが、調べてみると酢酸以外の各種の有機酸(有機物として扱われている酸性を示す物質。例:乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸等)、糖分、アミノ酸等です。

 ということは成分の量や種類にも寄りますが、アミノ酸不足を補うためには、別に黒酢でなく食酢でも良いような気もします。ただ黒酢の方がそういったアミノ酸を豊富に含むということが強調されているのかもしれません。

 また酢の殺菌効果については昔から知られていたようで、それは酢飯を考えれば容易に分かることだと思います。また酢そのものにある程度の疲労回復効果かがあることも分かっています。ただし酢を飲むと体が柔らかくなるというのは迷信です。

 ここまでの話をまとめると、食酢にも黒酢にも、酢酸という物質が含まれていて、これが疲労回復や殺菌効果に役立つということが分かりました。

 もうひとつは製造過程で黒酢の方が長い年月をかけるため、内部に生じるアミノ酸の種類が豊富になり、またその量も多いらしいと言うことです。(5倍ぐらい多いと言う記述を見つけました)
 
 ただ普通の食酢にもこういった物質は含まれていますし、酢以外の物質にも含まれていると思われますので、当たり前ですが通常は無理に酢を飲む必要はなさそうです。(実際酢を意識して飲まないで普通に生活している人の方が多いと思います)

 と言うことはやはり前ページに書いたように、酢以外の成分の効能としてアミノ酸の補給と、酢酸の作用としての疲労回復や殺菌効果を期待して摂取するというのが正解のようです。

 逆に言えば、食事が片寄っていてバランスの良い食生活が出来ず、一部のアミノ酸が不足している場合とか、体内の代謝活動が弱っていて疲れがたまりやすいとか、風邪をひきやすい等の症状が日常的にある場合、食酢または黒酢の摂取によって、ある程度その症状をカバーできる可能性があるように思えます。

 ただそれが、このサイトの主旨である「悪性リンパ腫」に対して何らかの直接的な効果があるかどうかは、ちょっと厳しいなという印象を持ちました。


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