高額療養費と保険について

 我が家の場合、私は高血圧と痛風で、ほぼ毎月医者にかかっていました。しかし息子は、連れに似たのか風邪や花粉症の症状は出るものの、いわゆる持病はなく健康です。

 また連れも花粉症で医者にかかるぐらいで、概して医者とは無縁の生活を送っていました。つまり将来の予想としては、私が最初に入院し、それを連れが看病というパターンを想定していました。

 さらに、私の方が年齢も上ですから、一足先にこの世から消えてなくなるという予想をしていました。ところが現実はあれほど健康を誇っていた連れが2年間の闘病生活の末、あっけなく他界。本当に何が起きるか分かりません。

 さて高額療養費の話しに戻します。第11章すべての治療を終えての中の「入院に要した支出」のページを見ていただきたいと思います。

 6月に入院。この病院での支払いが約20万。続いて大学病院に転院し、8月の支払いが約80万。9月が20万と続いています。4ヶ月で約120万の支出です。

 この時期は資金繰りも厳しく、大切な定額貯金をいくつか解約しました。しかしその後は月ごとの大きな支出は最大10万ちょっとになっています。これがまさしく高額療養費制度のありがたさです。

 つまり9月までは高額療養費制度が適用されていなかったため、一時的に大きな支出となったわけです。その後はその家族の家計収入によって、ほぼ決まった額が支出となります。継続的に大きな額が請求されるわけではないということです

 もちろん最初に支払った120万についても、四ヶ月分の正規の支払いの約40万を除いて、後ほど還付がありました。

 還付の方法については、私は仕事が教員で地方公務員であるため、比較的スムースに行われたと思います。民間の場合は自分で請求するような手続きが必要かもしれません。

 というわけで、一ヶ月の療養費が30万だろうが、200万だろうが、それこそ1000万を超えたとしても支払いは約10万円で済むところが高額療養費制度の良いところで、日本の保険制度のありがたみをかみしめました。

 となると、今後はこの10万円という自己負担額を目安に、医療保険の入院補償費を設定すればよいことになります。10万を30日で割り算すれば1日あたり3333円となります。

 差額ベッド代を考える必要がなければ、1日の入院保障は3500円程度あれば、一時的な支出はあるにせよ自分自身の預貯金には影響が出ないことになります。

 ただしこの計算には、入院以外の見舞いのための交通費、食べ物等の差し入れ、患者が要求する便利な入院グッズの類が入っていませんので、そこまで考慮するなら1日5000円程度の保障を考えると良いかもしれません。


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