リンパ腫細胞が増殖する兆候

 我が家のYの最初の化学療法は、入院時の体力が落ちていたためCHOP半量で行われました。

 しかし年齢的に若く、普段から健康に留意して出来る限り自然食品を食べるようにしていた影響かどうかは分かりませんが、最初の抗がん剤の効き目は病院側の予想以上だったようです。

 私は密かに普段からYが食べるものに気をつけ、風邪等をひいても自分の免疫力で直すように努力していたからではないかと思っていました。

 当然ながらその結果に我々家族も喜んでいたのですが、数日後、今度は主治医が真剣な表情で以下のような説明をしてくれました。

 この内容は、同じ悪性リンパ腫の治療を受けている方にも一種の指標になるのではと思われるので、闘病記の中から一部を取り出し再掲載します。

 その内容とは以下のようなものです。以下主治医の話です。

 「LDH:245、ALP:1353(激増)、クレアチニン:1.02、CRP:2.58と、ほとんどの数値が同時に上昇しています。これはリンパ腫細胞が活性化する兆候です」

 「従って白血球数が上がってきた段階(このときは2300で、標準の値より三割ほど少なかった)で、すぐに治療に入りたいと考えています」

 入院後Yは数日置きに血液検査を受けていて、その数値の変化はめまぐるしいものでした。

 しかしYの場合、重要な項目は血球数と上記の4項目だったように思います。

 と言うことは一般的にリンパ腫患者さんは上記LDH、ALP、クレアチニン、CRPの数値の変化について気を配るとよさそうです。

 つまりリンパ腫細胞が増殖する時は、これらの数値が同時に急激に上昇すると言うことです。

 たぶん腫瘍マーカーも同時に病院側は見ていたのだと思いますが、我々に与えられた血液検査結果の表には出ていませんでした。

 これはたぶん腫瘍マーカーの数字の増減だけでは、リンパ腫細胞の増減を予測できないということで、患者側が余計な心配をしないようにという配慮だったのかなと思っています。

 ちなみに上記のLDHは乳酸脱水素酵素と呼ばれ、細胞に障害が起きるとこの数値が大きくなるようです。基準値は240までとなっていますが、この場合基準値より大きいかどうかではなく、急に増えたかどうかが問題なんだと思います。

 またALPはアルカリホスファターゼと呼ばれるみたいですが、肝臓や骨等が障害を受けると増加する数値で基準値は350以内。

 クレアチニンは腎臓の働きを表す数値のようで、これが高いと腎臓のろ過機能が弱っていると言うことになります。Yの場合はこの数値が最後までいろいろとついて回りました。

 CRPは炎症が起きているかどうかを知る目安になる数値です。 この数値は通常限りなく0に近いようで、基準値は0.3以下となっています。

 かなり鋭敏に反応する数値のようで、これが上昇してくると熱が高くなり、下降が始まると熱がひいてくるという、はっきりとした相関関係がありました。

 従って慣れてくると、「CRPが上がってきたからこれから熱が出るぞ」なんていう予測をすることも出来ました。

 これらの数値の上昇が、リンパ腫細胞の増殖にどのように関連しているのかという具体的な関連性は私には分かりませんが、一斉に悪化すると言うことは、それだけ体内で激しい反応が起きていると言うことで、悪性リンパ腫と関連付けられると言うことなのかもしれません。

 ということは、逆に言えばこの数値が上がってこなければ、治療はうまく進んでいると言う証明になりそうです。


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