熱が下がり、ひとまず落ち着く

 8月23日(木)、転院67日目。いつもの時間に病室へ。容態が悪くなっていたらどうしようという、いつもの不安を感じながら入室。

 朝は平熱だったが昼頃から微熱。高熱はどうやら峠を越した。それにしても39度を越しても、一言も不平を言わず、ただ我慢強く耐えている様子には頭が下がる。女性の強さだろうか。男の方が騒ぎ立てるような気がする。

 点滴は栄養剤とアミカシン。寝汗をだいぶかいたため、その分熱が下がった。しかし相変わらずしびれ、味覚異常がある。頭痛は消え、腰痛も少し良くなったが、今度は肩こりが出始めた。

 24日(金)。CRPが2.64まで下がったところを見計らって、点滴を付け替えて治療が再開された。

 ちなみにCRPは炎症反応を表すが、数値の変動は体内の変動より遅くあらわれる。つまり急に上昇したときは、体内ではすでに上昇しきった頃だし。下降が始まったときは、かなり炎症は収まってきていると考えてよい。

 のちに発熱とCRPの関係をエクセルでグラフにしてみたが、見事なまでにその曲線の形が一致していた。

 点滴は栄養剤とアミカシン。Yの弁によると、発熱ちょっと前から足がだるかったらしい。それが前兆だったのかもしれないが、楽天的な性格なので少々の違和感ではあまり騒ぎ立てないため、かえって事を大きくしてしまったようだ。悲観的に考える私とは対照的だ。

 その後のメールのやり取りで、やはり血液中に雑菌が検出されたことが分かった。(炎症が起き、熱が出ると血液中の雑菌を培養し、炎症を起こしている原因を調べ、それによって抗生剤を調整する。血液培養と言うらしい)

 明日は点滴をはずして二日間ほど様子を見ることになった。自由度が大きくなるので、Yも喜んでいた。

 25日(土)〜28日(火)。点滴は右腕からはずれたが、針は残してある。左腕に変えることをすすめる。

 肩こりがひどいことを除けば、体調に特に問題なさそうなので、夏休み最後の日曜に合わせて、息子と共に伊豆の下田へ3泊4日で出かけた。Yには申し訳ないが、容態が安定しているこの時期がチャンスだと判断した。

 ところが、こうゆう時に限って何かが起きる。このときは旅行中の27日に再び突然39.0度の発熱があった。メールで情報を聞いて、28日は早めに帰ってくることにした。

 伊豆への旅行中だが、メールで情報が入ってくる。Yは旅行に行くことと食べることが大好きなので、さぞかし一緒に行きたかっただろう。もちろん一緒に行きたかったのは私と息子も同様だ。

 25日(土)は夕方微熱。しかしすぐに下がる。特に問題なし。

 26日(日)。平熱。血圧正常。抗生剤投与。

 27日(月)。朝平熱。抗生剤。CTの検査結果で腎臓の脹れが引いたことを確認。(ようやく抗がん剤の効果をはっきりと知ることができる段階になってきた)

 午後アドリアシン。体調に異常が生じないことを確認してラステット開始。ところがラステット終了後1時間経過して、突然の発熱。当初は38.0度、さらに39.4度まで急上昇したため、解熱剤のカロナール服用。

 原因はこの段階では不明。このような突発的な発熱は、骨髄抑制の患者さんにはよく起きるらしい。


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