治療開始

 5月26日(月)、再発入院11日目。

 今日から本格的治療開始。昨日までは腎機能を高めるために栄養剤を点滴。この日は病院には行けなかったが、これまでも利用しているリツキサンが投与される予定。

 27日(火)。病室に行くと、すでにパラプラチン、ラステット、ソルメドロールの治療が行われていたが、副作用等の症状はなかったので安心した。

 やはり新しい薬剤の投与は、医師は当たり前だが、患者や家族も不安である。問題なさそうなので、看護師さんに断って病院の中庭へ散歩に出かける。点滴用の機械をごろごろころがしながらの移動なので、結構面倒だ。

 いずれにしても昨年の悲惨な状況に較べて、今回は体力に余裕がある状態での入院なので、病院に来る煩わしさを除けば、私の精神的負担は少ない。

 血球数減少が唯一の気がかりだ。もしかすると脊髄に浸透?という疑問をぬぐい去ることが出来ないが、だからといってどうすることも出来ず、治療を見守るしかない。

 家に戻って、薬剤投与の予定表をコンピューターで作成。これで見ると、治療が順調に進めば、ハワイ行きまでに3クールをこなせる事が分かる。

 ちょうどうまく治療の間にハワイ行きが入るといいのだが。場合によっては少し早めに帰国という事態になるかもしれない。それでも行けないよりはいいだろう。

 29日(木)、30日(金)と、抗がん剤の投与が続いている。仕事や休暇の日数の関係もあって、病院には行かずメールでやりとり。

 今回はまだ骨髄抑制やその他の副作用が表れていないので、Yは暇を持て余しているようだ。ゲーム機を持っていくことにする。ともあれ元気なのはいいことだ。

 31日(土)。抗がん剤が続いている。いつのまにか病室が移動になっていた。4人の大部屋である。同室者は人の良さそうなおばあさんが3人。

 持参したハワイアンのCDを渡し、スピーカーをセット。体調は特に問題なさそう。あえて言うと、目が若干痒く、ステロイド剤で不眠を感じているらしい。また食欲が出て、体重増加。顔がぽっちゃり膨らんでいる。ムーンフェイスに近いかも。熱が36.8度の微熱。

 ちょうど胸のレントゲンを撮影する時間になったので、ついでに喫茶店へ行く許可をとる。まだ骨髄抑制が本格的になっていないため、階下に行くぐらいは許されている。しかし、これから急に白血球数が減少してくるため、今後は病室から出られなくなるだろう。

 胸は若干固さがとれたような感じがすると言っていたので、薬の効果が早くも表れているのかもしれない。点滴はいつもの栄養剤。腎機能回復効果がある。

 6月1日(日)。再入院17日目。第1クールの抗がん剤治療が終了した。フォサマック(骨粗鬆症治療薬)が処方された後、CVから解放された(管は入っているが)。

 良い機会なのでまたまた喫茶店へ。普通に会話をしているので、歩行器が目に入らなければ病人には見えない。本人も顔が少し膨れている以外、特に副作用の違和感は無い。

 同室のおばあさんたちはいずれも初発で、あまり強い治療は行っていないようだが、副作用は強く出ているようで、ほとんどベッドで寝たきり状態だ。

 従って、大部屋にもかかわらず、Yは病室でも話し相手がいないみたいで、やたら暇のようだ。副作用が出ればそんなことは言っていられないと思うが、まあぶつぶつ文句を言っている方が、はたから見れば安心だ。


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