悪性リンパ腫の原因について(3)


化学物質(薬、化粧品、農薬、食品添加物、殺虫剤他)
 化学薬品については、発ガン性リスクが指摘されている物質が氾濫しているため、どの物質がどこに使われていかまで特定できません。従って、これが原因と言うような一つの薬物を決定できません。

 Yの場合、化粧品はナチュラル系のものを多用していました。薬を飲むことはほとんどありませんでした。風邪をひいても自力で直すか漢方薬を使っていました。食品添加物についてもYは気にしていて、自然食品を多く食べることを目指していました。私が家庭菜園をやっているのも、その姿勢に影響を受けた部分があります。

 唯一思い当たるというか該当するのは殺虫剤です。Yは虫嫌いでした。そのためよく様々な殺虫剤を使っていました。殺虫剤は虫を殺すから殺虫剤なのですが、虫を殺すような成分は人間に良い影響を与えるわけがありません。もちろん使用には充分神経を使っていたと思いますが、残留農薬という言葉があるように、専業主婦であるYは家にいる時間が長かったので、もしかするとこれが、と思える部分はあります。

確率
 数学的な話しになりますが、細胞が分裂をするときは染色体も分裂します。その際元の染色体と同じ染色体がコピーされ、新たな細胞が出来るわけですが、当然常に完璧にコピーされるわけではないはずです。

 超優秀なコピー機を買って、同じ紙を順に1000回ぐらいコピーすれば、最初の原稿と最後の原稿はかなり異なるものになるはずです。それと同様のことが体内でも常に生じています。しかし普通はそのような異常な細胞は他の優秀な細胞によって破壊され、増殖することはあり得ません。

 しかしたまたまひじょうに増殖率の高い細胞が生まれてしまうと、破壊よりも増殖の勢いが強くなり、ガン化する可能性はあります。つまりガンは単なる確率の問題であると考えるわけです。

 で、たまたま免疫系が更年期やストレスで弱まっているとき、このような異常な細胞が生まれたとしたら、と考えると、素人考えですが原因はずいぶんすっきりしてくる感じです。

体内の炎症(2009年5月4日の毎日新聞)
 「やはり確率の問題で、避けられなかったのかなあ」と思っていた矢先、体験記でも書いたように毎日新聞に悪性リンパ腫の原因は体内の炎症が一因という記事が出ていました。(詳しくはこちらへ)

 早速読んでみると、慢性の病気や骨折等が起きたとき、その周囲に炎症が起き、その炎症がリンパ球の異常を引き起こす、と言うようなことが書かれていました。もちろんそのような病気、怪我をした人のすべてが悪性リンパ腫になるわけはないので、そのきっかけになり得るという趣旨の記事だったように思います。

 ところがその後Yの主治医から、Yは入院前に肋骨の一部に骨折をしてその治癒の跡がある(フラダンスの練習で体をひねったりしたことが原因かも)ということを言われ、「もしかしたらそれが原因かも」と思うようになりました。なぜかというと、骨折した部分とリンパ腫が増殖した部分が重なっていたからです。しかしながらY自身は骨折そのものを気がついていませんでした。たぶん疲労骨折のように、小さなひびが入った程度だったのかもしれません。

 もしこれが原因なら、本人も気がつかない小さな骨折→持続的な炎症→リンパ球の異常増殖→更年期やストレスによる免疫系の弱体化→悪性リンパ腫発症、というような図式が成立します。

 実際にはこんな単純な図式にはならないと思いますが、目下私自身の解釈はこの解釈が一番近いのではないかと推測しています。

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