「笑い」の定義

 「笑うと免疫力が上がる」と一般的に言われています。私もそうなのかなと思っていますが、その理論的根拠についてはよく分かりませんので、改めて調べてみることにしました。

 先ず最初に調べたのは、「笑い」とは何かと言うことです。我々はほ乳類に分類されていますが、同じほ乳類で身近にいる犬や猫が笑うのは見たことがありません。そもそも笑いの筋肉というものもなさそうです。

 では人間に比較的近いと言われている霊長類の「サル」は笑うのか?調べてみると、基本的には「笑わない」ようですが、「笑っているように見える」時もあるそうで、判断が難しい。(ウィキペディアでは「笑う」とされているみたいです)

 どうして判断できないんだろうとさらに考えてみると、そもそも「笑い」というものの定義というかイメージが個々人で違っているのではないかと言うことに気がつきました。

 そこで、さらに原点に戻って「笑い」とは何か、という定義を調べてみました。するとウィキペディアでは「楽しかったり、嬉しかったりなどを表現する感情表出行動の一つ」と書かれています。

 確かに一般的な「笑い」に対する感覚としては正しいように思えますが、同時に「笑いを定義するのは案外難しい。

 ごく一般的には陽性の感情に伴って表情が特有の緊張をすること(笑顔)、同時に特有の発声(笑い声)を伴うこと」とも書かれていて、きちんと定義しようとすると意外に難しいなと言うのが率直な感想です。

 ただ上記の定義の中にいくつかポイントになるキーワードがあるような気もします。それは「感情」であり「表情の変化」そして「発声」という3つのポイントです。

 つまりこの3つが合わさって「笑い」というのを形成するのであって、この内どれか一つでも欠けていると、それは偽の「笑い」になるということです。

 とすると、まず感情を持つための脳細胞の発達が必要で、そういった部位が発達していないような動物は、「笑えない」と言うことになります。

 また「表情の変化」を作り出すために、微妙な筋肉の発達と統合が必要であり、そう言った筋肉や脳の連携がなければ、これも「笑えない」ということになりそうです。

 さらに「音声」です。もちろん「含み笑い」等もありますが、これはかなり高度な「笑い」であって、到底人間以外の動物には真似できないと思われます。

 従って、音声によって「笑い」を表現するために、声帯等が発達し、その声帯をコントロールできる脳が発達している必要があります。その意味では言語を操れる人間の脳や声帯でないと、「笑い」は表現できない、と言う事になりそうです。

 以上から、これは私の個人的見解ですが、「笑い」とは人間特有のものである、というごく当たり前の結論が導き出されます。ではこの人間特有の「笑い」によって、我々の体の中でどのような生理的変化が起きるのか?これが次のテーマになりそうです。


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