ここまでのまとめと運動療法へのつながり

 免疫力を高める民間療法を調べて、ここまではどちらかというと静的な方法を考えてきました。(最後の笑いはちょっと動的ですが)

 ここまでをもう一度振り返ると「瞑想」「祈り」「音楽療法」「匂い」「笑い」と進んできたわけで、いずれも最終的には免疫細胞の活性化に繋がる可能性があるという結論が得られたように思います。

 ただし、ここまで来てこんな事を書くのも変なのですが、NK細胞が増えたから免疫力が上がったと考えるのはあまりに短絡的であるような気もします。

 と言うのもそもそも既存のNK細胞が見逃すようなガン細胞だったからこそ増殖できたのであって、そんなガン細胞なら、その後いくら同じようなNK細胞が増えても、やはり同じように見逃してしまう可能性が大きいと考えられるからです。

 つまりガン細胞を新たにやっつけることが出来る新種?のNK細胞を作るためにはどうしたらよいかと言うことを本来的には考えないといけないのだろうなと思いつつ、いわゆる民間療法(代替療法)でそこまで要求してもしょうがないだろうという気持ちもあり、ちょっと悩んでいる部分はあります。

 もしNK細胞を増やせば単純に免疫力が上がると考えることが出来るなら、化学療法なんか行わず好中球の増加を促すノイトロジンのような薬剤を増やせばいいわけです。

 しかし医療現場でノイトロジンが使われるときは、化学療法の後に好中球が減少してしまうので、その時の感染症を防ぐために使っているだけで、免疫力を強化してガン細胞の増殖を止めようという目的で使っているわけではないはずです。

 と言うことは、これまで書いてきた民間療法において、単にNK細胞を活性化させるから免疫力が上がった、だからガン細胞をやっつけることが出来る、と考えることには無理があるように思わざるを得ません。

 ただ人間の生理的なメカニズムはまだ充分に解明されていませんので、その意味からもしかしたら先人達が体に良いとして試みてきたことの中に、実際に何らかの効果があるのではないかというような、ある意味希望的観測で考えるしかないのかなと思います。

 つまりNK細胞が増える、と言うことだけに注目するのではなく、例えば「血行が良くなる」「ストレスが減る」「よく眠れる」「食べ物が美味しくなる」と言った様々な条件が少しずつ改善され、それらが総合力となってガン細胞と闘うんだというイメージかなと言うことです。

 そう言った意味において、次はもう少し動的な方法として、以前取り上げたダンス、ヨガ、気功、太極拳、ストレッチ、ウォーキング、サイクリング等をひとまとめにして、運動療法としてその効果を考えたいと思います。


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